若い地球と進化論

地球の歴史や人間の起源について考えるブログ

クロコダイルが死んダンディー?

f:id:darwinkieta:20181207203124j:plain

by Wikipedia

クロコダイル・ダンディー

という、オーストラリアで制作された映画、ご存じですか?

3部作の初回は1986年封切りですから、なんと30年前!この映画は、”ダンディー”ことポール・ホーガンのアメリカ珍道中を描くコメディーです。ポール・ホーガンの飄々とした演技が秀逸でした。

 

さて、今回の主役は、ダンディーではなく、”クロコダイル”です。

 世界中で、ワニを始め、全身の骨がそろったままの化石が、発掘されています。けれども、どのようにしたら、骨格のそろった化石ができるのか、詳しいことはわかっていません。

 そこで、このテーマについて調べるために、イリエワニを使った実験がオーストラリアで行われました。今回は、“水中で死んだ仔ワニの腐敗経過から、化石の成り立ちを考える”というタイトルで、一般の科学雑誌に発表された論文を紹介します。

 

f:id:darwinkieta:20181108132808p:plain

なお、原著は、下記のWebサイトでみることができます。

https://www.researchgate.net/publication/257410807_Patterns_of_aquatic_decay_and_disarticulation_in_juvenile_Indo-Pacific_crocodiles_Crocodylus_porosus_and_implications_for_the_taphonomic_interpretation_of_fossil_crocodyliform_material

 

著者は、仔ワニが水中で死んだ後、どう腐敗していくのかを観察し、その観察記録から、全身がわかる化石になるためには、何が必要なのかを調べました。 

 

【方法】

8匹の若いイリエワニ(成獣のワニよりもかなり小型です)を準備し、ワニが水中で死んだ後、以下の条件で観察を続けました。

 

条件①:2匹は、死んですぐに厚さ20cmの土砂で埋めた

条件②:3匹は、死んで水面に浮くまで待ち、それから沈むまで待った。完全に沈んでから、①同様に、厚さ20cmの土砂で埋めた

条件③:3匹は、水中で死んだままにしておいた

 

f:id:darwinkieta:20181110224959p:plain

図:仔ワニ、死後の自然経過

 上の図からわかるように、ワニが死んで

3日目頃から(ガス発生によって)浮きはじめ、

5日目頃に水面に浮かび、

14日目位まで腐敗が活発に進行する(茶色で示される)。腐敗が進行していくと、

24日目頃から再び水中に沈み始め、

約2ヶ月かけて完全に水底に沈む。

 

【結果】

条件②と③のワニは5日以内に水面に浮き、約30日に渡って水面を漂よい、背骨につながった前足と後ろ足の関節はゆるむか、体幹から外れてしまった。

条件①で、すぐ土砂で埋めたワニのうちの1匹は、死体がガスで膨張してしまい、12日目に水面に浮いてきたので、翌日、追加の土砂で埋めなおさなければならなかった。

 

【考察】 

上記の観察結果から、著者らはこう結論を述べています

 

手足が背骨につながったまま(つまり、全身骨格の)化石になるためには死んですぐに土砂に埋められるだけではなく、十分な量の土砂で埋められなければならない。

そうすれば、死体にガスが発生しても、土砂の重みで浮かんでこれないので、完全な化石になるのだろう。

 

また、この実験に関する、オーストラリアの地形学専門家、ロン・ネラー(Ron Neller)氏のコメント”Dead Crocodiles"を紹介します。このコメントは、CMI(Creation Ministries International)の発行している、Creation39巻(2016)に掲載されています。Neller氏は、クリスチャンでもあります。

f:id:darwinkieta:20181104002929j:plain

f:id:darwinkieta:20181104003000j:plain

 

上記2ページに渡るコメントの内容を要約すると、

 

今回の実験でわかるように、20cmの堆積物でさえ、小さなワニを埋めたままにしておくことはできなかった

 しかし、歴史に記録されている、どんな大きな自然災害でも、20cm以上の堆積物が観察されたことはない

 

過去70年間に渡り、地質・地形の専門家たちが、河口、干潟、海岸で観察を続けてきたが、化石を形成するのに十分な土砂や堆積物が記録されたことはない

 

また、恐竜の化石とともに、まだ化石化していない恐竜の骨髄が発見され、海綿構造の中に血球やヘモグロビンなどのたんぱく質や軟部組織が発見されている。

 

これらの観察結果からわかるのは、恐竜は6500万年前に絶滅したと言われているが、実は、絶滅してから、まだ数千年前しか経過していないのではないだろうか

  

最後にネラー氏は、こう結んでいます。

 

地球上で、広範囲に渡る(地層の中に含まれる)沢山の生き物の化石。これほどの大災害は、歴史上の記録では、ただひとつ、それは、聖書(創世記)にある「ノアの洪水」だけである。

 

仔ワニの実験では20cmの土砂は、小さな仔ワニでさえも、完全に埋没させておくことはできませんでした。

 しかし、数メートルを超える、巨大な恐竜が、ほぼ全身に近い形で化石としてみつかることがあります。これらの恐竜は、全身を覆って余りあるほどの土砂によって一気に埋没したことでしょう。

 しかし、地形学の専門家である、ネラー氏が述べているように、過去に記録されたどんな大災害であっても、20cm以上の土砂が積もったことはないのです。

 つまり、ワニの実験から示唆されることは、有史以来、記録されてきた、局地的な災害(洪水)では、化石はできないだろうということです。

 

だとすれば、世界中でみつかる大型生物の化石は何を意味するのでしょう。局地的な規模以上の洪水が、世界中で何度も繰り返し起こったのでしょうか?それとも、全地球を覆う規模の大洪水が、一度だけ起こったのでしょうか?

 

どちらを信じますか?