若い地球と進化論

地球の歴史や人間の起源について考えるブログ

ラミダス猿人~アルディは最古の人類?

年の瀬を迎え、今年一年を振り返ることも多いと思います。さて、私たちの祖先はどうだったのでしょうか。チンパンジーと人間の共通祖先から進化したというのは果たして本当なのでしょうか。今回は「ラミダス猿人」についてお話したいと思います。

 

1 人類最古の祖先というのは本当なのか?

遺伝学電子博物館によれば、人類は、オランウータン、ゴリラ、チンパンジーの順に分岐、進化し、最後に分岐したチンパンジーと人類との共通祖先は、最古の人類直接の祖先であるとされています。現時点で最古の祖先とされているのは、アルディピテクス・ラミダス、通称”アルディ”の名で知られる「ラミダス猿人」です。

アルディは、1992年、当時カリフォルニア大学の学生であった、エチオピア出身のセラッシさんと、彼の指導教授であったラブジョイ博士によってエチオピアで発見されました。Ardiとは「地面」を意味し、Ramidとはエチオピアの現地語であるアファール語で「根」を意味します。つまり、アルディピテクス・ラミダスには「地面で暮らす人類の祖先」という思いが込められているのです。

アルディの解析には、何と17年を要し、2009年10月と12月にサイエンス誌の表紙を華々しく飾りました。

左)2009年10月   右)2009年12月


最古の祖先が発見された!というセンセーショナルな発表の陰で、アルディの解析を行ったチームは、BBCのインタビューにおいて、本当に人類の祖先なのかどうかは、さらなる調査と時間が必要だと結論づけています。つまり最古の祖先とは言い切れない、ということです。BBCのインタビュー記事もリンクをのせておきますので、興味のある方はご一読をお勧めします。

Asked whether A. ramidus was our direct ancestor or not, the team said more fossils from different places and time periods were needed to answer the question.

 

2 アルディは本当に直立歩行していたのか?

ある類人猿の化石が人類と直接の祖先なのかどうかは、直立歩行の特徴があるかないかによって判断されます。その証拠として挙げられるものに2つあります。一つは頭骨と頸椎をつなぐ「大後頭孔の位置」。これが、頭骨の真ん中にあれば直立歩行、真ん中よりも後ろよりなら四つ足歩行をしていた証拠とされます。下図(左)は、チンパンジーと人間の大後頭孔の位置の比較です。人間の大後頭孔の方が頭骨のより中心にあるのがわかるでしょうか。

もうひとつは、頸椎~胸椎~腰椎全体で形成される「弯曲の形状」です。S字の弯曲なら直立歩行、C字なら四つ足歩行というわけです。下図(右)は、ゴリラと人間の椎骨の比較です。ゴリラはC字型、人間の背骨は胸部では後ろにつきでた後弯、腰部では前につきでた前弯を認め、S字型を示しているのがわかります。

ヒトはいかにして生まれたか(尾本恵市 講談社学術文庫 1998年)より改変

それでは、アルディに直立歩行の証拠はあるのでしょうか。上記のBBCのインタビューでもわかる通り、人類の祖先かどうかについては決着が着いていません。それもそのはず、わずかソフトボール大の頭骨はつぶれて発見されたので、大後頭孔の位置は特定できません。また、頸椎から腰椎までの椎体はほとんど発見されておらず、弯曲が実際どうだったのかを推定することができません。

アルディについて発見された骨だけをみれば、現存する樹上生活を送るサルの種類と何ら変わりありませんしかし、進化論を信じ、人間の祖先はこのような姿であって欲しいと願う科学者たちが、これでもかというくらい想像を膨らませて描くと、サイエンス誌の表紙(2009年12月号)を飾った絵のような姿になるのです。サイエンス誌の表紙、9月号と12月号を見比べてみてください。左の骨の写真から、右の想像図が一体どうやったらできあがるのでしょうか・・・

 

私たち人間とチンパンジーが似ているのは、共通の祖先から進化したからではなく、デザイナーが同じだから、つまり、同じ創造主である神が、人間とチンパンジーを造ったから、なのかもしれません。

 

詳しくは、ジェネシス・アポロジェティクス(創世記的弁証論)という米国の団体が作成したビデオ「アルディピテクス・ラミダス」を御覧ください。