クイズ:この怪獣は何でしょう?
そうです。「恐竜戦車」です。
ウルトラセブン第28話「700キロを突っ走れ!」にでてきましたね。ウィキ先生によれば、地球防衛軍が開発した新爆薬(スパイナー)を奪取するための切り札として、キル星人が恐竜を改造してサイボーグにした怪獣だそうです。
今回は、その恐竜戦車のような化石が、カナダ・アルバータ州で偶然発見されたという話題です。「鎧をまとった奇跡の恐竜化石」というタイトルで、1年以上前にナショナルジオグラフィックで紹介された記事を、下記にリンクしておきます。 あらかじめお断りしておきますが、戦車の方は発見されておりません。あしからず。
この記事によれば、発見された恐竜は、全長5.5m、重さ1.4トンもあるノドサウルスの新種と考えられるそうです。実際に発掘されたのは、上半身だけなので、この半分の長さになります。
戦車は発見されなかったのに、なぜ、恐竜戦車かって?
それは、記事を読んで「鎧のような装甲=戦車」+「上半身だけ=足がない」恐竜⇒恐竜戦車、というわけなのです。
(写真)ロイヤル・ティレル博物館(カナダ・アルバータ州)に展示されている化石
これだけ、立体的で完全な恐竜の化石は歴史上とても珍しいことだと思います。けれども、私が一番目を引いた箇所は、実は「化石のできかた」についてです。
日本語版の記事には詳しく書かれていませんが、オリジナルの英語版には、ずっと詳しい説明が載っていて、こんな風にかかれています。
ある日、恐竜が川で死んだ。洪水によって流されてきたのかもしれない。バクテリアによる分解が進み、死体にガスが充満していた。おなかを上にした状態で水面に浮き、川を下り、とうとう海にでた。
数週間、水面を漂った後、おなかのガスが破裂し、背中を下に海底へと沈んでいった。そして、どろどろした泥に埋もれていった。
ミネラル(鉱物)が皮膚に浸みわたり、生きたままの姿をつつみこむように埋もれていき、化石となった。
勘のいい読者の方は、もうお気づきですね。
そうです。オーストラリアで行われた、イリエワニの実験(詳細は、過去ログクロコダイルが死んダンディー? - 若い地球と進化論をご参照ください)によれば、ワニが水中で死ぬと、2週間以内に腐敗が始まり、水面に浮いた後、死体が完全に底に沈むまで2カ月程かかりました。そうして沈んだ死体の四肢は、バラバラになってしまいました。
著者は結論としてこう述べています。
死んだと同時に、死体を完全に覆いつくす土砂の堆積が同時に起こらなければ、全身骨格を保ったまま化石になることはむずかしいだろう、と。
イリエワニの実験は、全く流れのない池で行われていますが、今回の記事にあるように、全長5.5mもの恐竜を押し流すような洪水であれば、死体の損傷スピードはさらに早まっただろうと推測されます。
しかし、記事を読むと、上半身がほぼ完全に保たれているわけですから、大洪水だけではなく、大洪水と同時に大量の土砂で、5.5mもの恐竜が、死体が損傷する間もなく、一瞬にして埋め尽くされたはずです。
だとすれば、この恐竜は、死んでから洪水によって流された、のではなく、大洪水に巻き込まれて死んだ、と考える方がつじつまが合うように思います。
なぜなら、死んだまま、のんきに川下りしていては、あっと言う間にばらばらになってしまうので、死ぬことと、洪水によって流されることと、土砂に埋もれること、は同時に起こらなければ、このような奇跡的な化石はできないからです。
この大きな恐竜を押し流し、巻き上がった土砂で、全身を完全に覆い、埋め尽くしてしまうような洪水とは、どれほど大きかったことでしょう。そのような大洪水が文字として記録されている書物は、聖書の中だけなのかもしれません。
もし、お手元に聖書があるなら、是非、旧約聖書の創世記7章「ノアの洪水」をお読みになってください。大きな恐竜を一瞬にしてのみこんでしまう、大洪水のイメージが具体的に膨らむのではないかと思います。