若い地球と進化論

地球の歴史や人間の起源について考えるブログ

石炭に「炭素14」の大発見!

久しぶりの投稿になります。今年4月から1年の予定ですが、大学院で公衆衛生を学んでいます。更新のペースが少し遅くなっていますが、令和もよろしくお願いいたします。

 

今回のテーマは「石炭の年代測定について」です。石炭は世界中の地層の中に存在しています。古いとされている地層から発掘された石炭のサンプル10個を、放射性炭素年代測定法で測ってみると、実は、比較的新しいことがわかった、という話題です。

 

【RATE研究】

1997年から2005年にかけて、創造論の立場に立つ科学者たちが、RATE(Radioisotope and the Age of The Earth:放射性同位元素と地球の年齢)という研究を行いました。この研究内容については、2003年にアメリカの地球物理学学会で発表されています。

 

www.icr.org

 

【石炭の放射性炭素測定】

このRATE研究の中で、様々なトピックが扱われました。今回のお話しのテーマである、「石炭中に発見された炭素14」もそのひとつです。

 

大気中には不安定な炭素(C14)安定な炭素(C12)が存在しています。不安定なC14は、半減期5730年を経て、そのうち半分が放射性崩壊し、窒素N14へ置き換わっていきます。生物が生存しているうちは、大気中のC14を取り込むので、体の中では大気中のC14/C12比(1:1兆)と同じ比率に保たれていますが、生物が死ぬとC14を取り込むことがなくなるので、N14に置き換わった分だけC14が減少していきます

炭素14の放射性崩壊の速度(半減期)と大気中のC14/C12比は、昔も今も一定であると仮定すると、残存するC14を測定することによって、生物が死んでから現在に至るまでの期間を推定することができるのです。

 

石炭は、規模に差はありますが、数千万~数億年前とされている地層から発見されます。しかし、炭素法では、9万年以上では、C14の検出限界を超えるため、理論上、測定可能なC14が残っているはずがありません。

 

RATE研究では、アメリカの石炭試料銀行から提供された10個の石炭サンプルを用いて、炭素法による年代測定を行いました。その結果、全ての試料中にC14が残存しており、その濃度は、今日の大気中のC14濃度と比べ、平均0.25%程度であったので、数万年前という計算になるそうです。また、かつては地球の磁場が強かったため、C14濃度は、現在よりも少なかったことを考慮すると、さらに年代は縮まり、数千年に近づくと考えられると述べています。

 

【石炭の炭化率】 

1964年、今から50年以上も前に、スペックマンという人が、石炭形成についての実験結果を発表しています。それによると、炭化の程度は、下記の式で推計できることがわかっています。

 

炭化率(%)=30.93+0.1328T+0.0828P+0.00016t

ここで、T:温度、P:圧力、t:時間を表します。

 

この結果をみれば、石炭が炭化する程度は、時間に比べ、圧力や温度の方が影響が大きく、実際に、温度や圧力の条件が揃えば、短時間で石炭を作れることがわかっています。

 

【地層と化石】 

化石は地層の中から発見されます。これまで発見された化石の年代測定は、化石を含む地層年代を元に推定されてきました。しかし、地層や岩石の年代測定として使われている、カリウム・アルゴン法で、噴火年度がわかっている火山(西暦1500-1800年)の玄武岩を測定したところ、数千万~数億年前という結果がでることがあり、その信頼性は低いと言わざるをえません。

 

石炭化石燃料のひとつで、主に樹木の皮を成分としていますから、広い意味で植物の化石であると言えるでしょう。また、恐竜の骨からも、残存しているC14が検出されています。化石の年代を測定するにはカリウム・アルゴン法のような)信頼性の低い方法で、地層の年代を間接的に利用するのではなく、石炭や恐竜のように直接測定した結果を、もっと信頼してもよいのではないでしょうか。

 

今回の記事の内容についてまとめたビデオを下記に紹介します。 

   

 

放射性炭素年代測定法については、下記の過去ログもご参照ください。

darwinkieta.hatenablog.com